140文字お題１～５
• 01：最初から最後まで
• 02：それ以上は許さない
• 03：あなたと一緒にいたいんだもん
• 04：逃がしはしない
• 05：貴方の心臓が欲しい
140文字お題６～10
• 06：幸せにするよ
• 07：愛してみろよ
• 08：しゃらっぷ、きすみー！
• 09：ハッピーエンドの来ない悲恋こそ美しい
• 10：だいたいそんなかんじ
140文字お題11～15
• 11：好きにならないはずがない
• 12：いつもの癖
• 13：君という名の
• 14：足して割って、ちょうど
• 15：痛い
140文字お題16～20
• 16：忘れられた指輪
• 17：甘やかせる権利
• 18：残された時間
• 19：頑なに拒む両手
• 20：もう一度、恋をしよう
140文字お題21～25
• 21：境界線の引き方
• 22：50/50
• 23：例外的に
• 24：だいたいあいつのせい
• 25：もしも魔法が使えたならば
140文字お題26～31
• 26：オフレコ
• 27：目を閉じれば
• 28：全部全部、君のせい
• 29：どうにかなってしまいそう
• 30：約束破り
• 31：指切り

06:幸せにするよ

「幸せにする」とはどの様な時に使う言葉であろうか。愛を囁く時、何かを決意した時、それとも…？
以前、まだ少年期の氏康に言われたことがある。幸せにするから、と。我にはそれが長い間、理解できなかった。ただ氏康が没した後に漠然と思った。あぁ、あの時間が幸せというものだったのだな、と。

06:幸せにするよ（イチャラブ編）

「氏康、幸せとは他人が提供出来るものではなく、自らが感じるものだと我は思うのだが…」
「まぁ、そうかもしれねぇが他人から美味い酒貰って幸せとか、そういうのはあんだろ？…何かねぇのか」
「ほぅ（チラッ）うぬの胸に顔を埋めているのは気持ちいい」じー。
「か、貸してやるよ；」断れねぇ…。

07：愛してみろよ

「嫌いではない、とか曖昧な言い方ばっかしやがって…俺の事なんだと思ってんだ！」
「何を苛立っている。子犬も生意気になったものよ」
「苛立ってなんかねぇ！じゃあ、俺のこと…愛してみろよ」
「子どもに興味はない。そう望むのなら先ず、うぬがそれに見合う男になる事だ」
今日もかわされる思春期。

08：しゃらっぷ、きすみー！

「うぬは今日、本陣を飛び出しておらなんだか？」
「…どっから見てたんだよ」
「クク、いつも見ている」
「別に何ともなかったんだからいいだろ」
「何かあってからでは手遅れよな」
「ったく…もう黙れよ。とにかく今、生きてこうしてるんだ。良しとしとけ」
首に回された腕に力強く引き寄せられた。

09：ハッピーエンドの来ない悲恋こそ美しい

「近頃、男女の色恋模様を綴った草子が流行しているらしいな。幸福の来ない悲恋こそ美しい、とか」
「なんだそりゃ。美しいか？」
「さて。我にはわからぬ」
「にしても、オバケさんでもそんなもん読むんだな」
「うぬの部屋に転がっていたのでな」
「…！てめぇ！じゃあ今言ったのオチじゃねぇか！」
混沌。

10：だいたいそんなかんじ

派手な物音が響く。小太郎が氏康の私室へ踏み込んだ時、部屋には煙が立ち込め視界は無いも同然だった。咳き込んでいる男の居る方向へ躊躇なく進み、素早くその体を室外へと引きずり出す。
「今日は少し肌寒い。故に火鉢を出そうとして引っくり返したな」
「…大体そんな感じだ」
「どこが違うのだ」
ゲホッ