140文字お題１～５
• 01：僕の居場所
• 02：長く一緒にいた影響
• 03：世界の終わりに
• 04：共犯者の笑み
• 05：三時の雨宿り
140文字お題６～10
• 06：唯一の
• 07：君とならできる
• 08：上手な甘やかし方
• 09：この、リア充が
• 10：図書室の猫
140文字お題11～15
• 11：人生で一番
• 12：善意の裏返し
• 13：ご機嫌取りも楽しみのひとつ
• 14：多分上手く笑えていない。
• 15：言うと思った
140文字お題16～20
• 16：君の最期に
• 17：ずるい人
• 18：愛される条件
• 19：おいていかないで
• 20：おさえた首元
140文字お題21～25
• 21：見ないふり、見えないふり
• 22：美しい終わり方
• 23：自分のモノには名前を書きましょう。
• 24：自分だけ知ってればいい
• 25：No thank you
140文字お題26～31
• 26：幸せにはできないけれど
• 27：いえない我儘
• 28：一番厄介な存在
• 29：きっと大丈夫
• 30：受け止めてくれるのはあなただけ
• 31：見えないサイン

16:君の最期に

「死んだら…どうなるのかな」
母を亡くした時、まだ幼かった氏康は言った。
「死んだ事がないので分からぬ」
「僕が死ぬ時はオバケさん迎えに来てくれる？」
「我はうぬより先に死んでおるのか？」
「え！？」
先代の遺した記憶だ。
氏康は、先代に会えただろうか。そして我を迎えに来てくれるのだろうか。

17：ずるい人

小太郎が諜報を目的に小田原を離れる事は間々ある。城に居たって顔を合わせない事もある。なのに、不在後その熱を感じると飢えた欲が込み上げて来るのは何故だろう。
「報告は以上だ。用がなければ戻るが」
「急いでんのか？」
「急がぬが」
口の端がにやりとつり上がった。俺に、言わせたがっていやがる。

18：愛される条件

目の前に小太郎の顔があった。ド阿呆！何見てやがる、そう毒づこうとして、自分が小太郎の腕の中で介抱されている状態だと気付く。
「気分は？」
「だ、大丈夫だ」
執拗に求められ不覚にも気を失った。毒づくどころではない。
気まずい。恥ずかしい。
「健気な子犬よな」
「るせぇ！」
声まで引っくり返った。

19：おいていかないで

何十年も続けば色々あらぁな。とは言え、
「氏康。今宵は我を置いていってはならぬ」
「ならぬってお前…そんな事言われてもな」
「何度も達するのは老体にも厳しかろう」
「誰がその老体に無茶させてんだよ」
「そこでだ」
「おい、聞けよ小太…」
「縛ってみても良いだろうか」
「良い訳ねぇだろう！」怒怒。

15：おさえた首元

睦みあっている最中に首元を押さえたことがある。
「！？…っ、は」
苦痛と快感は紙一重。気道を圧迫され、氏康の体はびくびくと痙攣した。異常な興奮を感じた瞬間、目が合い…我に返る。思わず飛び退いていた。
「二度と、せぬ」
「げほっ…何でてめぇが傷つくんだよ」
平気だ、と逆に引き寄せられた。